「こむちゃんせんせいからのおはなし」を公開しました
- 6月30日
- 読了時間: 3分
ある日、こども園のみんなで、いつもの通園バスに乗ってお散歩に出かけました。 みんなで「ゴーゴー!」と歌っていると、目の前に真っ暗な、まるで怪獣の口みたいなトンネルが見えてきました。 バスがトンネルに入った瞬間、「ガタガタガタッ!」 急に車内が真っ暗に! 「わあ、くらーい!」「お化け屋敷みたい!」
すると、先生がギョッとした顔で、口に指を当てました。 「しーっ!みんな、静かに!このトンネルにはね、世界一寝起きが悪い『ネムネム・ドカン』っていうトンネルおばけが寝ているよ。もしここで大きな声を出すと、おばけの頭の噴火ボタンがドカン!と押されて、ものすごいお怒りモードで襲ってくるよ!」 それを聞いたみんなは、顔を見合わせて「しーっ!」。 息を吸う音さえ聞こえないくらい、静かになりました。
バスはゆっくり、静かに進みます。 「しーっ!おばけ、寝てるかな?」 その時です。 誰かが我慢できなくて、「そんなお化けいるわけないわー!」と大爆発。「あ!やっちゃった!」 トンネルの奥から、地響きが聞こえてきます。 「ズシン ズシン ドシン!」 暗闇の中に、ギラリと光る2つの巨大な目が現れました。
「うるさーい!俺の眠りを邪魔したのはだれだー!」
おばけの手が、ズルズルとバスに近づいてきます! 「みんな、隠れて!声を出しちゃダメ!」 みんなは座席の下に小さくなって隠れ、口を両手でギュッと押さえました。 おばけの鼻息が、バスの窓を「フー、フー」と揺らします。 あともう少しで見つかっちゃうよ~。その時!「パッ!」 バスがトンネルを突き抜けました。
そこは、おひさまがギラギラ輝く、まぶしい世界。 光を浴びたおばけは「まぶしい〜」と目がくらんでいます。 先生が叫びました。 「みんな、今よ!おばけの弱点は、明るいところでの大声よ!バスのパワーを溜めて。せーの ウルトラ・大声ビーム!」
みんなは、お腹の底からちからいっぱい、 「わあああああああー!」 と叫びました。するとおばけは、 「ひええええ〜!耳がキーンとする〜!光がまぶしい〜!とろけるう〜!」と言いながら、シュワシュワシュワと小さくなって、消えてしまいました。
「ふう、あぶなかった。」おばけの音は、もう全く聞こえません。 先生は、汗をぬぐいながら言いました。 「みんな、よく頑張ったね!でもね、おばけだって、寝ているのを邪魔されたら怒っちゃうよね。みんなも、寝ている人のそばや、暗くて静かな場所では、お行儀よくしようね。」 みんなも「はーい!」と、今度はちょうどいい元気な声で答えました。
それからのこども園のみんなは、映画館や、お昼寝の時間など、静かにする場所ではバッチリかっこよく「しー」ができるようになったんだって。めでたし、めでたし!

